魅力 10 / 統率力 0 / 戦闘力 0 / 政治力 0 / 知力 3
西施、姓名は施夷光。上の絵では一番左が西施。
春秋時代屈指の傾国・傾城(国を傾ける・城を傾ける)の美女。他に春秋時代の美女と言えば夏姫が挙げられる。ちなみに、西施は王昭君、貂蝉、楊貴妃と共に中国四大美女にも数えらる中国を代表する美女。
彼女が川で足を出して洗濯をする姿に見とれて魚達は泳ぐのを忘れてしまったり、「顰に倣う」の語源にもなった西施の胸が痛む持病の話がある。ある日その発作が起きて彼女が胸元を押さえ、顰(眉間)に皺を寄せた姿は何とも艶めかしく、か弱い女性の美しさが滲み出ていた。彼女が里から歩いて来るその様に、里の人たちは皆目が釘付けになったという。
范蠡にその美貌を見出され、鄭旦らと共に呉王夫差の元へ意を含め送られる。即ち、呉王夫差を自らの魅力で籠絡し腑抜けにする事。見事西施は役目を全うし、呉は越によって滅ぼされる。その後は范蠡に引き取られ、余生を彼に寄り添いながら穏やかに幸せに暮らしたという。
だが他方で呉が滅びた後に勾践夫人が彼女の美貌を恐れ、夫も二の舞にならぬように西施を生きたまま皮袋に入れて長江に投げられたという説もある。
楊貴妃がランキングの中にいるという事は、宋代以降に出来たという事なんでしょうが、それだけ三国志が一般民衆の間に浸透していた、という事なんでしょうか?
個人的には貂蝉の代わりに夏姫でいいんじゃないかと思いますが・・・夏姫は妖婦とかそういうイメージになってしまうんでしょうかね・・・
西施にしろ楊貴妃にしろ、当の本人たちは自身の美貌についてどう思っていたんでしょうね。一天万乗の絶対権力者が自分の歓心を買うために必死になる様というのは・・・本当に彼女たちは幸せだったのか?(楊貴妃は自縊する際に「幸せだった」といっていますが?)
事成って呉を滅ぼしたのち、范蠡が西施を伴って旅立ったのは
・彼女がいまだ絶対的な美貌を有していたから
・彼女の人生を己の謀略のために利用し、彼女の人生を大きく狂わせてしまった事へのつぐないのため
後者は余りに現代的解釈にすぎるかもしれません。
私も貂蝉についてはかなり???です。
やはり代わりに入るべき女性と言えば、夏姫は筆頭になりますかね。衛子夫や香妃、褒じとかも候補かな。
この時代であればやはり幸せだと思うのでしょうかね。
なまじっか美貌をもっていると、中途半端な身分では不幸になりそうな気もしますし・・・。
西施に対する范蠡の行動は、穿った見方かもしれませんが既に呉王夫差に送り込まれる前に西施は范蠡によって完全に調教されていたのではないかと。
で、自然の流れで西施は范蠡の元に戻りたがり、范蠡も李常傑さんが書かれた双方の理由があって連れ添ったんじゃないでしょうかね。
いわゆる閨房術ってヤツですね・・・
絶世の美女を相手に仕込む方も相当な忍耐力と言うか、鉄の意志でも持っていないと出来ませんね・・・別の意味でスゲ〜な范蠡・・・
史記に記述はないけれど、当然一国の大臣だった范蠡には正夫人がすでにいた筈ですけど、西施がきたら元の夫人はどうしたんだろう、なんてホントどうでもいい事考えるワタシ・・・
やはり正夫人よりも遥かに魅惑的だったのでは…。何とも羨ましい話です。ただ、他人に献上した女性を受けとめる度量がないと難しいかもしれませんね。